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  1. がん治療の選択肢について

  2. がん治療には、大きく3つの治療法があります。

 

  1. 手術
  2. 放射線治療
  3. 抗がん剤

 

食事療法や温熱療法、鍼灸などもありますが、医学的な「標準治療」に定められているのは、上記の3つとなります。

 

ごくごく簡単に説明しますと、以下となります。

 

  1. 手術は、がん細胞そのものを手術で取り出す。
  2. 放射線治療は、がん細胞に放射線をあてて、がん細胞をやっつける。
  3. 抗がん剤治療は、薬を飲んでがん細胞をやっつける。

 

末期がん患者が選べる標準治療は、抗がん剤のみ

 

母のような末期の子宮頸がん患者は、標準治療から選べるのは「抗がん剤治療」しかありません。

 

手術も放射線治療も、がんが局所にとどまっていれば効果的です。しかし、全身に転移している場合、効果よりもリスクが上回ってしまうのです。

 

母の場合、肺、腹膜、胸の骨、にがんが転移していました。すべて手術で取り除こうとすると、間違いなく体がもたずに死に至るだろう、と医師に言われました。

 

放射線治療も同様です。放射線治療は、がん細胞だけでなく正常細胞も傷つけます。全てのがん細胞をやっつけようとすると、死に至る量の放射線を浴びなければなりません。

 

母は、胸の骨のがんに対しては放射線治療を行いました。これは、痛みをとる目的で行われました。緩和ケアとしての放射線治療です。

 

手術も放射線治療もできない、となると、残された選択肢は「抗がん剤治療」となるのです。

 




 

もう一つの選択肢→何もしない

 

「標準治療で選べるのが”抗がん剤治療”だけなんだったら、末期がん患者に選択肢なんてないじゃない!」と思われるかもしれません。

 

あとひとつ、「何もしない」、という選択肢が存在します。

 

標準治療は、どれも「がん細胞をやっつけよう!」という目的で行われます。積極的な治療と呼ばれる治療方法です。

 

「何もしない」といっても、積極的治療を行わないだけで、痛みや苦しみを和らげる行為は行われます。

 

医師からは、「最近は、こういう取り組みをベストサポーティブケア(BSC)と呼んでいる。患者の生活の質を落とさないように、サポートしていく」と伝えられました。

 

積極的治療を諦める=生きることを諦める、と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

ご存知の通り、抗がん剤治療は、副作用がとても強いのです。

抗がん剤は、がん細胞も攻撃しますが、正常細胞も攻撃します。

 

そのため、脱毛、吐き気、嗅覚障害、味覚障害、視覚障害、手足のしびれ、など数多くの副作用が現れます。副作用で寿命を縮めてしまう可能性もあるのです。

 

がんの進行がゆっくりであれば、緩和ケアのみ行った方が、生活の質を保ったまま生きられる可能性もあります。

 

 

抗がん剤治療 ・ 緩和ケアのみ どちらを選ぶべきか

 

これは、もうがん患者本人の状態や考え方による、としか言えません。

 

「少しでも可能性があるなら、抗がん剤治療を行いたい」

「副作用で辛いくらいなら、緩和ケアのみで残りの人生を過ごしたい」

 

どちらが正解ということはないと思います。

どちらも、その人にとって正解だと私は思います。

 

私たち家族ができることは、選んだ選択肢を尊重し、患者に寄り添い、サポートしていくことです。

 

母の選択肢と私の思い

 

母の選択肢は、「医師からがんの告知を受けた時の話2(母同席」にも書いたとおり、即答で「抗がん剤治療をやる」でした。

 

「少しでも、がん細胞が小さくなる可能性があるなら、それにかけたい。何もせずに手をこまねいているより、やれることをやりたい」と言っていました。

 

私は、今でも「抗がん剤治療せずに、緩和ケアだけにしておけばよかったんじゃないか」と思うことがあります。

 

抗がん剤の副作用がとても強くて、母は急激にやせ細り、体力が無くなり、どこかへ行くことも無く、亡くなってしまったからです。告知をされてから約半年後のことでした。

 

最後は、脳梗塞を発症し半身麻痺となり、亡くなりました。(詳しくは別の記事で書く予定です。)調べると、抗がん剤治療を行うと脳梗塞を発症しやすくなるとのことでした。

 

  • 「抗がん剤治療をしてなかったら、脳梗塞は起こっていなかったんじゃないか」
  • 「抗がん剤治療をしてなかったら、旅行に一回くらいは行けたんじゃないか」
  • 「抗がん剤治療をしてなかったら、夏まで生きられたんじゃないか」

 

結果論ですが、今でも未だこんな思いが頭をよぎり、胸が苦しくなることがあります。

 

でも、「何もしない」を選んだとしても、きっと「抗がん剤治療をするべきだったのでは?」と思うことがあったと思います。

 

こういう、どうしようもない考えて頭がいっぱいになったとき、私は「母の体のことは、母が一番分かっていた。その母が選んだことだから、それが正解なんだ。」と言い聞かせるようにしています。

 

最後まで、前向きに治療に取り組んでいた姿を思い出し、「母は最後まで一生懸命がんばってたな」と、自分を納得させるようにしています。