母は、脳に転移したがんの治療(放射線治療)で入院中に、脳梗塞を発症し半身麻痺状態となりました。
その後、転院し亡くなるまでの約2週間、六甲病院の緩和ケア病棟で過ごしました。
この記事では、六甲緩和ケア病棟に入院した体験談を詳しくお伝えしたいと思います。
こんな方に
・六甲病院の緩和ケア病棟への入院を控えている方
・緩和ケア病棟ってどんなところ?と不安に思っている方
こんな方々のお役に立てればうれしいです。
病室紹介
病室の種類
全部で7種類の病室があります。
有料の部屋が4種類と無料の部屋が3種類です。
有料室
北側の和室(15,000円)
たんす、布団、シャワー、トイレ、洗面台、冷凍&冷蔵庫
北側の洋室(15,000円)
ソファ、シャワー、トイレ、洗面台、冷凍&冷蔵庫
北側の洋室(15,000円)
ソファ、シャワー、トイレ、洗面台、冷凍&冷蔵庫
南側の洋室(10,000円)
シャワー トイレ 洗面台 冷凍&冷蔵庫
無料室
北側の洋室
シャワー、トイレ、洗面台、冷蔵庫
南側の洋室
トイレ、洗面台、冷蔵庫
北側の洋室
冷蔵庫 ※トイレ・洗面台は室外共有
病室は全て花の名前
病室には、部屋番号の他に花の名前がつけられています。
「さくら」「水仙」「ふよう」とか。
お母さんがお花が大好きだったので、とてもいいなぁと感じました。
母が入院した病室
母は、北側和室の有料室(15,000円)へ入院しました。
古い旅館のような雰囲気でした。
洋室と違って、気軽にゴロゴロできるのが有難かったです。

病室の写真
この写真は入院当日のものですが、すぐに父が隣で昼寝を始めました。
共用施設・設備紹介
リビング
とってもひろーいリビングがあります。

リビング
大きいダイニングテーブル、テレビ、本棚、食器棚もあります。

本棚
ボランティアの方が、毎日お花を活けてくれていました。

お花
食器棚には、ウェッジウッドやニナリッチ、ノリタケなどの高級なカップが沢山用意されており、誰でも使うことが可能です。

食器棚

ウェッジウッド!
私も何度か、家族やお見舞いに来てくれた友人と、こちらのカップを借りてお茶しました。
ワイングラスもありました。

ワイングラス
家族控室
リビングの奥に、家族控室(和室)が2部屋用意されています。
危篤の場合などに、家族はここで過ごすことができます。
布団は二組用意されています。

家族控え室
ファミリーキッチン
大きめのファミリーキッチンがありました。
三口のIHのコンロ、電子レンジ、トースター、大きい共用冷蔵庫、調理器具(フライパンや鍋など)が用意されています。
簡単な料理だったら十分作ることができます。
私たちは、鍋や焼きそばを作りました。
ランドリー
洗濯機と乾燥機が2台ずつあります。
他の病院でもよく見るような、硬貨を入れて使うものです。
テレビカードでも支払えます。
家族風呂
家族が使用できる大き目のお風呂がありました。
17時までは、患者の方用なので家族は使えませんが、17時以降は利用可能です。
ドアの前に、予約表がおいてあり、空いている時間に名前を書いて予約するシステムです。
約2週間の入院でしたが、あまり使われている家族はおられなかったです。
大きい湯船にゆったりつかれるのは、とっても嬉しかったです。娘と二人でほぼ毎日利用しました。
出前も取れる
なんと、病室で出前を取ることもできます。
緩和ケア病棟の受付に、出前用の冊子が置いてあります。

出前の冊子
一度くらい利用してみたいな、と家族と話をしていましたが、チャンスがないまま母が息を引き取ってしまいました。残念。
付き添いは?家族は泊まれる?
付き添いは24時間いつでも可能です。
部屋によりますが、家族の方も泊まれます。
寝具は、貸し出しがないので持ち込む必要があります。
私たちは有料の和室でしたが、用意されている布団というのは敷布団のみです。
掛け布団は持ち込む必要があります。
夏場はバスタオルぐらいでいいかもしれません。
どんな緩和ケアが受けられる?
患者の方の状況によって大きく変わると思いますが、母の場合は以下のケアが受けられました。
- 首が痛いと伝えたらすぐに痛み止めを処方
- 痰の吸引
- 尿の量、痰の量で、点滴を減らす(水分が多いと苦痛が大きくなるため)
緩和ケアとは異なりますが、尿の袋にカバーをかけてくださいました。

尿の袋に可愛いカバー
お見舞いに来てくださる方に、見えないようにしてくださり、配慮が行き届いているなぁと感心しました。
スタッフの方はどんな感じ?
緩和ケア専任の医師が3名おり、24時間必ず医師がいる状況です。
土日でも夜間でも、何かあったときに、すぐに医師の判断で対応してもらえるところは安心感がありました。
医師の方は、3人とも全員とても穏やかでゆったりとした雰囲気でした。
話し方もゆっくりで、しっかり目を見て話してくれるため、こちらはとても安心できました。
逆に、看護師の方はチャキチャキ動かれる方が多かったです。フレンドリーに家族や仕事の話をしてくれて、私にとっては看護師の方のおしゃべりタイムがよいリフレッシュタイムでした。
毎日3時のおやつタイム
平日は、毎日3時がおやつタイムとなっています。
ボランティアの方が、病室におやつとお茶を運んでくださいます。
入院している患者だけではなく、家族やお見舞いに来ている方にもふるまわれます。

おやつタイム(プリンとほうじ茶)

おやつタイム(イチゴゼリーと紅茶)
ほっと一息つける時間でした。
面会は24時間可能
緩和ケア病棟に限って、面会は24時間、いつでも可能です。
病院が開いているときは、普通に正面玄関から入って緩和ケア病棟へ。
夜間など、病院が閉まっているときは、インターフォンを鳴らして「緩和ケア病棟に入院している●●へ会いに来ました」と伝えれば、ドアをあけてもらえます。
Wi-Fiもあります
Wi-Fi(無料無線LAN)も用意されています。
スタッフの方に問合せると、SSIDとパスワードの情報を教えていただけます。

Wi-Fiの案内
まとめ
施設は古いですが、アットホームな雰囲気で、リラックスして過ごせました。スタッフの方も皆さんとても気さくで、色々と相談もしやすいです。緩和ケア専門の医師が、常に1人はいてくれているのも心強かったですね。
難点は、アクセスと差額ベッド代でしょうか。
うちの場合は、父も妹も西宮で働いていたので、アクセスは気になりませんでした。私は、介護休業を取得していたので、ずっと病院にいましたし。
父なんて、家(垂水)から職場へ通うより、病院から職場へ行く方が近いくらいでした。
差額ベッド代(室料差額)(一日16,200円)も、がん保険と県民共済の入院保険があったので、大きな壁にはなりませんでした。母が保険に入ってくれていて、本当によかったです。
無料の部屋があくまで待つ、という選択肢もあります。ただ、無料の部屋は現在入院している方が優先なので、かなり待つ可能性があります。
差額ベッド代がネックになる場合
ひとまず有料の部屋で入院し、空きが出たら安い部屋・無料の部屋へ移る、というのが一番おすすめ。緩和ケア病棟の性質として、毎日のように誰かが亡くなっているので。
私たちも、最初は「空きがでたら安い部屋か無料の部屋に移りたい」と伝えていました。ただ、最初に入院した部屋が和室で、これがとっても過ごしやすかったんですね。
私は子供(2歳)を連れての付き添いだったので、特にそう思いました。畳の上で走り回ったり、ゴロゴロしたり。子供がベッドから落ちることを気にせずに、夜眠れることもよかったです。

娘が遊ぶ図
入院中に、父の誕生日があったので、誕生日会もしました。

父の誕生日会
ですので、結局無料の部屋に空きが出ましたが、部屋をうつることなく最初の部屋で最期まで過ごしました。
六甲病院に入院した段階で、母の病状は「一か月もつかどうか」といった状況で、先が見えていたことも部屋を移らなかった大きい要因でした。
もし、先が見えない状況で、まだ数ヶ月緩和ケア病棟でお世話になる可能性があったら、おそく部屋を移っていたと思います。
私は、最期のときを、六甲病院の緩和ケア病棟で過ごせたことは、とてもよかったと思います。母のそばで食事をしたり、一緒に寝たり。最後に家族の時間をすごすことができました。タイミングよく転院できて、本当にラッキーでした。
一つだけ、今でも「あれはどうなの!?」と思うことがあるのですが、それはまた別の記事で書きます。
六甲病院の緩和ケア病棟について、もっと知りたい情報があれば、お気軽にコメントに記入ください。私でわかる範囲でお答えします。
この記事が、緩和ケア病棟への入院を検討されている方へ参考になればうれしいです。