「要介護認定」というと、高齢者の方向けという印象をお持ちの方が多いと思います。
しかし、末期がんでも介護認定を受けることが可能です。(ただし、年齢が40歳以上の方)
私も、医師から話を聞くまでは知りませんでした。
厚生労働省の、介護認定>特定疾病の選定基準の考え方にも記載があります。
2 特定疾病の範囲
特定疾病については、その範囲を明確にするとともに、介護保険制度における要介護認定の際の運用を容易にする観点から、個別疾病名を列記している。(介護保険法施行令第二条)がん【がん末期】
(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
厚生労働省のHPより引用しました。
私は、末期がんと診断された翌日に、申請を申し込みました。
医師とがん相談支援センターの相談員の方から「なるべく早く申請した方がよい」と、背中を押されたためですが、早めに動いてよかったと思います。
以下、要介護認定についてまとめました。
なぜ要介護認定が必要なのか
介護保険サービスを利用するためには、要介護認定が必要となります。
認定がおりれば、1割の費用負担で介護サービス( 介護ベッド、車いすのレンタル 等)を利用できるようになります。
なぜ早急に要介護認定申請を行う必要があるのか
身内が末期がんと診断され、大きなショックを受けている中で、なぜ早急に要介護認定の申請を行う必要があるのでしょうか?
ご存知の方も多いかと思いますが、要介護認定がおりるまでには時間がかかるからです。申請から要介護認定がおりるまでには、概ね1~2か月ほどかかります。
申請が多い地域では、もっと待たされる場合もあります。
私が申請した際も、窓口で「今は立て込んでいるから、2か月くらいかかるかもしれない」と言われました。
末期がん患者には時間がありません。
そのため、なるべく早いタイミングで申請を行う必要があるのです。
要介護認定がおりるまでの流れ、申請に必要なもの
厚生労働省のHPより引用しました。
1.患者本人が住んでいる市区町村の窓口で申請
用意するもの
- 印鑑
- 患者の健康保険証(65歳以上の方は介護保険被保険証)
- 主治医の名前(フルネーム)
私は、窓口で「要介護認定の申請を行いたいのですが」と伝え、申請書をもらいました。
窓口の方から記入事項について説明を受け、スムーズに入力することができました。
注意ポイント
申請書に主治医のフルネームを記載する欄があります。
私は、名字しから知らず、慌ててインターネットで調べました。
事前にメモしておくことをおすすめします。
注意ポイント
申請書記載のポイントです。窓口の方のアドバイスで、申請理由の欄に「全身に転移している状態で、悪くなれば余命1~2か月と言われている。なるべく早く認定してほしい」と書き添えました。
その場で「介護保険被保険者証」をもらい、申請の作業は完了です。
2.訪問調査の日程調整
調査員による訪問調査の日程について、調整の連絡があります。都合のよい候補の日時を伝えます。
母は抗がん剤治療のために入院していたので、家族が立ち会う必要はありませんでした。
3.訪問調査
調査員が患者本人に訪問調査を行います。
母は、抗がん剤治療中で入院中だったので、病院へ来てもらいました。
4.医師による主治医意見書の記載
自治体から主治医宛に、書類が送られてきます。
そこに、主治医からの意見を書き添え返送してもらいます。
介護認定を申請した場合、主治医に「申請しました」と声をかけておくと安心です。
5.審査
コンピューターによる一次審査ののち、介護認定審査会で判定が行われます。
判定の材料になるのが、訪問調査時の情報や主治医の意見書となります。
6.認定
判定の結果「非該当(自立)」「要支援(1・2)」「要介護(1~5)」のどれかの区分で認定されます。通知は、郵便で送られます。
母は、要介護2と認定されました。
7.地域包括支援センター・事業所へ連絡
介護認定がおりたことを連絡し、ケアマネージャーと共にケアプランを作成します。
介護サービスは、ケアプランに基づいて利用出来るようになります。
母の場合は、よく知っている方(母の同僚・祖母のケアマネさん)に担当いただけることになりました。
母が利用したサービス
母が利用したサービスは、介護ベッドのレンタル、車いすのレンタル、介護タクシーでした。
母は、 終末期をホスピスで過ごしたので、その他の介護サービスは利用しませんでした。
在宅療養を選択される場合は、入浴介助や生活支援(家事など)のサービスも利用できるかと思います。
ニチイのサイトにサービスや料金について分かりやすくまとめられていました。
最後に
繰り返しになりますが、「待ち」の時間が長いので、要介護認定の申請は、さくっと早めに行っておくことをおすすめします。
また、申請時には「末期がんで残り時間が少ない」という状況を伝え、なるべく早く審査してもらうように働きかけることもポイントです。(早く審査してもらえるか、は自治体次第ではありますが…)
治療や介護にはお金がかかります。
少しでも負担を軽くするためにも、要介護認定を受け、介護保険を利用してください。