抗がん剤治療(1クール目)後の体調不良が落ち着いたタイミングで、母と今後について話をしました。
いわゆる「エンディングノート」を作成するためです。
本当は、抗がん剤治療が始まる前、体力があるときに話すべきだったと思います。
がん相談支援センターでも、なるべく早く話し合った方がよいとアドバイスを受けていました。
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ただ、病状が進んだ場合のことや、お母さんが亡くなった後のことを話し合うのは、どうしても気が進まず…
そんなことは考えたくなかったですし、治療がうまくいって、細く長く日常生活を送れるかも、という淡い期待も抱いていました。
しかし、1クール目の抗がん剤治療中、どんどん体調が悪くなり、体重が減り、目を開けることすらしんどくなっている様子を聞き、「このまま死んでしまうのでは」と、心配で心配で仕方ありませんでした。
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なんとか持ちこたえることができたので、「次に会うときに、必ず話をしよう」と心に決めました。
なぜ遠方に住んでいる”私”が話すことになったのか
本題に入る前に、なぜ遠くに住んでいる私が話をすることになったか、について。
家族構成は、以下の通りです。
ポイント
- 父と母が同居(神戸市)
- 妹が一人暮らし(西宮市)
- 私が遠方在住(東京、夫と子あり)
近くに住んでいて、ほぼ毎日会いに行っている父か妹が話をすればよかったのでは、とも思いますが…
父は、「母の病気を受け入れられない」「体調が悪くなっていくこと、死ぬことのことなんて考えられない」といった状況でした。これからのことについて、冷静に母と話せる状態ではありませんでした。
妹は、頼めば話をしてくれたかもしれません。
ただ、妹が母に会いに行くときは、だいたい父が同席していたので、その中で話を切り出すことは難しかったと思います。
また、小さいころからの名残で、妹のことを少し頼りなく感じていました。実際は、とてもしっかりしているんですけども。
「姉である私がしっかりしなくては!」という思いがあり、私が話をすることにしました。
事前に準備したこと
漏れがないように、確認したいことをノートにリストアップしました。
エンディングノートについて、まとめられているサイトに目を通し、私たちに必要な内容をピックアップしました。
私が考えた内容について、妹にも意見を出してもらい、リストを完成させました。
また、当日突然話をすると驚くかもしれないと思い、母にも事前に話をしたいと伝えておきました。
エンディングノート作成のため参考にしたサイトのご紹介
エンディングノートの書き方を見本付きでご紹介(遺品整理ドットコム)
エンディングノート(厚木市役所)
あんしんノート(越谷市社会福祉協議会)
また、コクヨからエンディングノートも発売されています。
患者さん自身で記入できる元気があれば、このノートを渡すのが手っ取り早いかもしれません。
コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート B5 LES-E101
母に聞いたこと・聞く際に注意したこと
仕事を休んで、平日に病室に行った際に話をしました。
10月の終わり頃だったかと思います。
「まだまだ先のことになると思うけど、もしかしたら急変するかもしれないし、準備しといたら私たちが安心だから、これからのことについて話をさせてね。」と、話を切り出しました。
確認した内容は以下の通りです。病み上がりということもあり、必要最低限の内容にしました。
母に聞いた内容
- 病状が悪化したとき、どこで過ごしたい?
- 延命治療はしたい?
- お母さん名義で契約しているサービスはあるか。
- お金の管理はどうなっている?
- 入っている保険は?
- お葬式では着たい服はある?
- お墓は?以前、散骨して欲しいといっていたけど。
- 遺影に使って欲しい写真はある?
- 体調が落ち着いたし、会いたい人はいない?
- 親戚や友人の連絡先はどこかにまとめてある?
- 何かあった時に連絡する人は?
- お歳暮やお中元のやりとりをしている人は?
- 形見分けしたいものはある?
なるべく明るく話すようにつとめました。
といった軽口を挟みながら。
時間としては30分もかかりませんでした。
母は、入院前にある程度、身辺整理をしていたようで、大きく問題になるような事項はありませんでした。
エンディングノートを作成しておいてよかった
エンディングノート、作成しておいて本当によかったです。
特に、「病状が進んだあとのこと」、「延命治療」、「お葬式関連」は、事前に確認しておいて助かりました。
聞いていなかったら、
「延命治療は、やるべきなのか?やらないほうがいいのか?」
「お葬式で、お母さんに何を着てもらったらいいの?」
「遺影に使える写真がない!」
と、大慌てになっていたことだと思います。
正直、あまり気が進みませんでしたが、意識がはっきりしているうちに、母と話をできてよかったと思います。