母の抗がん剤治療と放射線治療について、効果&副作用と共に記録します。
抗がん剤治療(TC療法)の内容
母が行った抗がん剤治療は、TC療法というものです。
パクリタキセルとカルボプラチンという二つの抗がん剤を併用します。
パクリタキセル
パクリタキセルは、太平洋イチイの樹皮から取り出した成分です。細胞
の分裂に必要な「微小管」とよばれるタンパク質が作られる段階を途中で
止めるはたらきがあります。その結果、がん細胞が増えることを阻止し、
やがて死滅させます。
カルボプラチン
カルボプラチンは、プラチナ(白金)を含む金属化合物です。がん細胞内の
遺伝子本体であるDNAと結合することにより、がん細胞の分裂を止め、
やがて死滅させます。
国立がん研究センター中央病院の資料より引用しました。
「プラチナ!?」と驚愕しました。あの、金属のプラチナを体内に入れるなんて…。
そりゃ、正常な細胞にも影響が出ますよね…。
投与スケジュール
投与スケジュール
- 1週目→パクリタキセルとカルボプラチン
- 2週目→パクリタキセルのみ
- 3週目→パクリタキセルのみ
- 4週目→お休み
これが1クール。6クールで1治療とのことです。
全治療が終了するのは、スムーズにいけば24週間かかります。
約半年間ですね。
放射線治療の内容
胸の骨にがんが転移しており、母は痛みを訴えていました。
痛みをとる目的で、放射線治療も行われました。
放射線量等は、手元に資料がないので分かりませんが、全10回で予定されました。
こちらは、平日5日間毎日放射線を当てるスケジュールでした。
母は子宮頸がんの中でも、腺がんという種類でした。
医師曰く、「腺がんは、放射線もあまり効かない。ただ、骨に転移したがんだけは別。骨のがんには、放射線治療は効果が出やすい」とのことでした。
抗がん剤治療と放射線治療の記録
1クール&放射線治療
- 1回目(入院・10月1週目)
- 2回目(入院・10月2週目)
1クール2回目の後、体調が悪くなり3回目は中止となりました 。
吐き気、嗅覚異常、倦怠感がひどく、部屋のトイレに歩いていくことができないほど。
目を開けていることすら、しんどいときがあったと言っていました。
結局、何も食べられなくなり2週間点滴生活となりました。
体重も10キロ近く減ってしまいました。
抗がん剤治療と平行して、放射線治療も行われました。こちらも、体調不良のため途中(確か4回目まで)で、一旦中止となりました。
抗がん剤と放射線治療を平行して行ったので、副作用が強く出てしまったのかもしれません。
毎日、父と妹が仕事帰りにお見舞いに行ってくれました。
母の様子を、妹がLINEで連絡をくれていたのですが、副作用のすさまじさに「このまま死んでしまうのではないか…」と、とても不安になりました。
10月の終わりに顔を見に行ったときは、二回りぐらい体が小さくなっていました。もともと細い人だったのに、もっともっと細くなっていて、泣きそうになりました。
2クール
- 1回目(入院・11月1週目)
- 2回目(入院・11月2週目)
- 3回目(入院・11月3週目)
体力の回復を待ち、治療を再開しました。
1クール目から2週間以上期間が空いたので、1クール目の3回目は中止となりました。
1回目のことがあるので、念のため引き続き入院して治療となりました。
1クール目と比べると、ずいぶんましだったようです。もちろん、しんどさはあるけれど、目も開けられない程ではなかったとのことです。
2クール目が終わった後に退院しました。
3クール
- 1回目(通院・12月2週目)
- 2回目(通院・12月3週目)
- 3回目(通院・12月4週目)
3クール目は、通院で行いました。
しんどさはあるとのことですが、1クール目までのことはないようでした。
ちょうど年末だったので、
と言っていました。
4クール
年明けの血液検査で、白血球の値が下がっているとのことで、4クール目は行えず。
その後、脳転移が判明し別の病院へ入院(脳のがんの放射線治療のため)→入院中に脳梗塞発症し、半身麻痺→緩和ケア病棟(ホスピス)へ転院→息を引き取る
となったため、母の抗がん剤治療は3クールで終了となりました。
母の体に起きた副作用
吐き気・食欲減退
治療の記録の項目でも書きましたが、吐き気や食欲の減退がひどかったです。水を飲むことすらできない状態でした。
体重減少
吐き気や食欲減退にともない、体重も急激に減少しました。
入院した当初は、48kgだったのが退院時には37kgまで減っていました。
もともと細身の体が、風に吹かれたら飛ばされそうなほど細くなってしまっていました。
白血球の減少
正確な数値はわかりませんが、抗がん剤治療が行えないほど下がっていたようです。
足のむくみ
年末年始に帰省したときに、
と言われて見せられたのがこちらの写真です。
足が、パンパンにむくんでいるのがわかると思います。
むくみがひどくて、医療用の着圧ソックスを履くのも苦労していました。
このむくみは、2月ごろにはなくなり、すっきりしていました。
抗がん剤治療が中止になった影響なのかもしれません。今思えば、死期が近づいていたからかもしれません。
嗅覚過敏
匂いに過敏になりました。
母が入院していた間、父が洗濯をしていました。
父は、働いていたこともあり、室内干しすることが多かったんです。そうすると柔軟剤を使っていたとしても、少し生乾きの匂いになってしまいます。
と言っていました。
結局、退院に合わせて、家で使っていたタオルを全て買い換えました。
脱毛
体中の毛は、ほとんどなくなりました。
髪の毛も、腕や足の毛、眉毛、まつ毛もすべてなくなりました。
髪がなくなったのが冬だったので、家でもほとんどニット帽を被ってすごしていました。
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抗がん剤治療と放射線治療の効果は?
ステージ4b(末期)の状態で行う抗がん剤治療は、根治を目指して行うものではありません。あくまで、がんの進行を少しでも抑えるためのものです。
母の場合、「がんの進行を抑えられたか?」といえば、答えは「Yes」です。
CT画像を使って、医師より説明をされましたが、腹膜のがんは縮小していました。
放射線治療についても、痛みがましにはなっていたようなので、効果はあったのだと思います。
ただ、私個人としては、抗がん剤治療・放射線治療が、むしろ命を縮めてしまったのではないか、と思っています。副作用は、それだけすさまじいものでした。
もちろん、これは結果論です。抗がん剤治療を受けていなかったら、もっと早く亡くなっていたかもしれません。
母の選択が正しかったんだ、と思って生きていくしかありません。
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